武書房

GREEのレビュー機能が終わるので今後はこっちに書きます。

INNOVATION STACK―だれにも真似できないビジネスを創る―

2023/6/17-8/15 で読了。
久々に山形さんの訳書を読めた。非常に面白かった!

おじさん層に人気らしい「経営の教科書」みたいなのを丸善に買いに行った時、分厚くてどうにもそそられず、近くの棚でこの本を見つけて衝動買った。

おおまかな内容は「訳者解説」を読んでもらえば必要十分と思うが、あえてフローっぽく書くと

  1. 自分がどうしても解決したい「完璧な問題」を見つける
  2. 問題の解決までにまだ課題があれば、
  3. 試行錯誤してその課題を解決する(=イノベーション
  4. 2, 3 を繰り返す

以上で生み出された「イノベーション」の総体を「イノベーションスタック」と呼ぶ。つまりイノベーションは目的ではなく、手段であり過程である。
イノベーションが1つだけなら簡単に真似されてしまうが、それが何十も積み重なると「だれにも真似できないビジネス」になる。
というのが本書の主張である。書いてみると魔法のように単純!
しかしこれができた人はごくわずかなのだろう。だからこそ「起業家」というのが稀有な才能と見なされているのだ。

本書を読むと、著者から大きな問いを突きつけられたように感じる。
やり方は教えた、お前はやるのか?と。
自分にとっての「完璧な問題」、それをどれほど切実に・正確に捉えられるかがすべてな気がするな。
私はやるのか? 人生で何か偉大なことを成し遂げるのか?


ともかく、傍注まで小ネタが詰まってて面白い。全部読む価値あり。
装丁もかっこよくて良い。ペーパーバックっぽい作りで、透明カバーを外しても読みやすい。

貼りまくった付箋の一部

  • p.39 プレゼン資料に「スクエア社が失敗する140の理由」w
  • p.67 ヒップ「ポップ」になってる!
  • p.130 (自分が教科書を書こうとしていた)本の主題についてぼくが何一つ知らなかった
  • p.186 (当時のサウスウエスト航空は)最高の人柄を持つ人物しか雇わない
  • p.247 「処理困難効果」これはわかるなー
  • p.257 愛は勝ち取ったり失ったりすることもあるけれど、信頼のチャンスは一回しかない
  • p.265 ハーブ・ケレハー、売上最大化なんて「絶対しない」
  • p.278 ジャンニーニはとんでもなく謙虚だった
  • p.287 イノベーションに専門家なんかいない
  • p.288 成功体験は定義からして、未解決の問題には存在し得ない