武書房

GREEのレビュー機能が終わるので今後はこっちに書きます。

ストーリーとしての競争戦略

2023/10/22 - 12/17 で読了。
非常に面白く、ためになった。もっと早く読んどきたかった!
ぴったし500ページの本文を読み終えた時は不覚にもちょっと泣いてしまった。

著者のことは4~5年前には知っていたが、売れっ子学者ということでなんとなく「時代の寵児」的な人かな?と食指が動かなかった。
完全に読まず嫌いであった。知れて良かったと今は思う。

目から鱗の連続、というか、こういった知識が自分には「全然なかった」ことに気付かされ、愕然とした。
いや大前さんや堀さんの本は20年前から読んでた。ITストラテジストの勉強でSWOTだの5Fだの minimax だのの知識もあった。仕事で「戦略立案」の真似事のようなこともしてる。
でもそこには「ストーリー」が一切なかった。「無味乾燥」な、それっぽく見える「アクションリスト」(KPIすら曖昧な)を「嫌々」作ってただけだったのだ。
私は SP (Strategic Positioning) と OC (Organizational Capability) の区別すら意識してなかった。運転免許持ってないのにタクシー運転手してたようなもんや!

今年読んだ(夏か…)この本と重なる部分も多かった。 takeshobo.hatenablog.com イノベーションスタックによりOCに厚みをつける、そうすると他社には簡単に真似できない。
自分にとって「完璧な問題」を解決したいという切実な動機がすべての起点。それがSP的優位ももたらす。
というふうに『ストーリー』の語彙でも語れる。
そして『ストーリー』のほうが(11年前に出た本であるにも関わらず)よりメタ戦略論的に、まさに「ストーリー」として語られていて、包括的に理解できると思った。
読み物としては『イノベーションスタック』もめちゃくちゃ面白いです。

私も(書|描)かねば。自分の「ストーリー」を。

例によって覚え書き

本文

  • p.70 イヤな言葉ですが「勝ち組」とか「負け組」とか ここで「この人は信頼できる」と思った
  • p.94 私自身が喫煙者なので 好感!
  • p.125 最たるもの
  • p.162 良い厨房
  • p.204 品質改善を行動する?
  • p.372 単純な仕事
  • p.377 「排除の論理」防御では?
  • p.379 企業間の競争に「おいて」では?

注記

  • p.14 絶妙なタイミング