武書房

GREEのレビュー機能が終わるので今後はこっちに書きます。

ネコの手も貸したい

Twitter で見かけて面白そうと思って 2018/9/1 に買ったが、長年積んでしまってた。
2024/1/16 - 3/24 家でゆっくり読了。(I Will Survive の手前でまた2か月ほど寝かしてた)

面白かった。リットーミュージック発行というのも「教則本」ぽくていい。

私は「職業作詞家」を目指したことはなく、今後なる可能性もほぼ 0 だろう。自分には縁遠い世界の話なので気楽に読める…のだが、(あまり)知らない曲の解説だと一応どんな曲か知っとかねば、と聞いてから読むのでけっこう時間かかった。(とはいえ YouTube がある現代はありがたい)

漢字やカナの使い分け、譜割りの考え方はなるほどーという感じだが、まあ想定内。しかし歌手の特性に合わせた歌いやすさや、響きの強弱も考慮して母音・子音を選ぶというところはさすがプロ!と感心した。
私も売文家…ではないけど、自分が書く文章には人一倍(どころかほぼ病的に)こだわってしまう性癖がある。単なる仕事上の連絡メールでも、言葉選び、語順、改行や句読点の位置とかでゴニョゴニョ悩んでしまうことが少なくない。ほとんど誰からも理解も評価もされない悪癖に近いものであろうが、「言葉にこだわってええんや!」という(錯覚かもしれない)励ましを得られた気がする。

やしきたかじん「東京」は、もともとは畠田理恵さんが歌う予定だった(p.67)というのがびっくり。こういう業界驚きネタもこの本にはいっぱい出てくる。

残酷な天使のテーゼ」の歌詞は作品をろくに知らない状態で作った、という有名なエピソードは知ってたが、及川さんが作詞することになったのも高橋洋子さんが歌うことになったのも「偶然」、というのがすごい。そこから歴史的な名曲が生まれたというのが。

巻末の「及川眠子 全作品リスト」の量に圧倒される。2018年6月時点で、舞台やCM向けのも合わせると千曲以上!
というか「いっとうしょうたいそう」も及川さん作詞やったとは。我々はみんな眠子さんの歌詞を聴いて育った、と言えるかもしれない。

見つけてしまった衍字?

p.61 しまったりすれば かな。