武書房

GREEのレビュー機能が終わるので今後はこっちに書きます。

ワイルドサイドをほっつき歩け ――ハマータウンのおっさんたち

2021/2/21自宅で読了。

Kindle 版しか出て来ぉへんけど、読んだのは紙です

げっさおもろかった。
町田康さんの『おっさんは世界の奴隷か』のごときテースト(寄せてる?)の気軽に読める面白エッセイ集だが、出てくるおっさんたちの哀愁、人情味…なんというか「生き様」が、とにかく味わい深い。1話読み終えるごとにしんみりしてしまう。
そしてこの本はさらに、けっこう勉強にもなる。英国の経済・社会・政治的な状況について。

著者は1965年、第2章で解説されてる「ベビー・ブーマー世代」と「ジェネレーションX」の境界あたりで生まれている。本書の「おっさん」とはその著者と同世代~もうちょい上のおっさんたちのことである。
その世代は意外にも(?)、EU離脱派が多かったらしい。と聞くと排外的、不寛容、近視眼的な奴らという印象を受けるが、実情はそう単純でもなく…というのがよくわかる本。
離脱派が流したデマ(離脱すれば多額の拠出金をNHSに使える)に騙された人もけっこう多かったらしい。

書名にルー・リード神の神曲が使われてることからもわかるように、各話には往年のヒット曲たちがあしらわれてて、それらを好きな人には楽しく、知らなかった人にも良き案内となろう(私は Fatboy Slim とかあんまり知らなんだ)。
イギリスおっさんsは性愛というか生殖方面では流動性高いんやなあ。というのも印象に残った。いいか悪いかはともかく、労働者階級ゆうても全然華やかやん。

そして緊縮財政は悪。