武書房

GREEのレビュー機能が終わるので今後はこっちに書きます。

小田嶋隆と対話する

2026/7/19,20 でするっと読了。
出版されてわりとすぐ買ったと思うが、小田嶋さんの不在を認めるのがつらく、ずっと読む気になれなかったのだ。

小田嶋隆と対話する

小田嶋隆と対話する

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小田嶋さんのツイート (https://x.com/tako_ashi) に対し内田さんがコメントを書いていくというスタイルの本。
なので Twitter(「現X」ww)の延長な感覚で気楽に読める。
気楽に読めるが、Pieces of 警句!の数々に唸らされる。

亡くなられてもう4年も経ったのか……
やはり「惜しい人を亡くしてしまった」という思いがより強くなった。ご存命ならどれだけ鋭く愉快な批評を読めたことだろう。
とはいえ、日米社会のあまりの劣化ぶりに呆れて書く気が失せていたかもしれない。「現実が常に我々の想像のはるか斜め下に落ちていってるので、もはやネタがネタとして成立しない」みたいなことで。

読書メモ

はじめに

  • 12 痕跡をまるごと消せばいい
  • 12 最初の「小田嶋隆論」はファンレターのつもりで書いた
  • 25

    私は「論文」や「研究」というものは人間の知性を集団的に向上させるために書かれるものだと考えている。だから、結果的にそういう効果をもたらすなら、それはどんな形式のものであっても構わないと思う。

2020

  • 28 「こうらくえん」アナグラム
  • 31 あらゆる人間は、程度の差はあれ未成熟である
  • 39 泣けてくるほど面白い。
  • 41 「(中略)私のいささかガードの甘い交友関係のいくつかについて、小田嶋さんははっきり嫌悪感を示していた」
  • 55 敵を作らない生き方をしていると、いつしか態度のデカいお得意様に引きずり回されるだけの人間になる
    小田嶋さんもそういう経験があったのか。
  • 74 石原慎太郎は「有害な男らしさ」の具体例として有益だったw
  • 76 安倍=正直なうそつき
  • 77 (翻訳エンジンが進歩した影響で?、)海外メディアの日本語ページの品質が劇的に劣化した一年

2021

  • 86 ↓見習いたいw

    個人的には「才能は才能として認識されている時点ですでに報われている」と考えている。つまり、オレはすでに報われているので、これ以上は求めない。

  • 91 ↓ほんまそのとおり。「経歴詐称」も同様やね

    学歴詐称は、詐称をたくらむ動機のみみっちさと、詐称が可能だと考える現実認識の甘さの両面から、社会的に葬ってかまわない人間のやりざまだと思う。

  • 94 教養があれば、みじめな貧乏人にならずにすむし、下品な金持ちになることもない
  • 95 あらかさま……私も「はこびる」と言ってた人に教えてあげたことあるw
  • 105 小田嶋さんが政治家の劣化に驚愕し、「言葉を失」った2021年。2026年ならどうなっていたか……
  • 107 ↓覚えておこう。たしかに一つ覚えで「印象操作」言う奴おるよな。

    「レッテル貼り」がレッテル貼りで、「ダブルスタンダード」がダブルスタンダードで「印象操作」が印象操作であるということは、何度強調しても足りないと思っている

  • 110 「お気持ち」という言葉を使う人間は感情を軽蔑している
  • 110 「傾城の恋はまことの恋ならで」……江戸時代から変わらんねw
  • 115 内閣総理大臣の無能は、文字通り「国難」そのものとして受け止めなければならない。
    ガースー「ですら」そう言われていた。
  • 117 主語の大きさだけを機械的に測定して文句を言う態度はばかげている。
  • 122 金棒曳き
  • 123 マッカーシ―(ろくでもないチンピラ野郎)対応という実害が出た
  • 129 デイヴィッド・グレーァ― ← Graeber でした
  • 131

    「バカな方の太郎がまた何か言った」という情報を得たのだが、どっちだ?

  • 133 「維新アタマ」という呼ぶ 引用ミス? 手打ち?
  • 136 「ガチャ」を回したのは親という話
  • 137 アベスガの8年間で八百長会見化した
  • 144 whataboutism はソ連が発明したそうな。

2022

  • 158 「窃盗」は「不適切物品入手」になるw
  • 167 客分
  • 175 「リアリスト」ぶってる奴らは「理想や正義を追求し実現する困難から逃避して、世の中の不公正さや残酷さを放置している意気地なし」
  • 177 「いった」「おこなった」が紛らわしいという話。
    私は「行う」という単語を使わないが、いまの若い子らめっちゃ使うね。ハリボテ文のパーツに便利と思われてるんやろね。

おわりに

  • 184 『革命的半ズボン主義宣言』読んでみよう。

反知性主義―アメリカが生んだ「熱病」の正体―

2015/5/16 に丸善で買ったが、ずっと積んでた。
2026/7/16-18 で一気に読了。

驚くほど面白かった! 全編通して。

内田先生の ↓ はわりとすぐ読んだのだが、 takeshobo.hatenablog.com 森本先生のほうはより学術的・専門的な感じがして、「難しそう」と敬遠してしまってた。
読んでみると全然そんなことはなく、夢中になってすいすい最後までいけた。
やはり現代の状況に直結してる歴史・理屈を知れるのは面白い。

「反知性主義」と言うとつい焚書坑儒・文革的な、愚かで近視眼的な権力者(またはそれを妄信する衆愚)による狼藉・蛮行、のようなものを想像してしまうが、アメリカにおけるその意味合いはかなり違っていた。
むしろ「知性が権威化」することを警戒・監視するという、かなり知性的な態度のことであった。こんなに「ポジティヴ」なものだったとは。
もちろん全面的に称賛すべきことばかりではないのだろうが。なんせ「熱病」なので。

で、2026年の現代ではどうか?
残念ながら状況はかなり悪くなってるのではないか。「知性を敵視してる奴らが権力を独占し続けてる」ような。

読書メモ

はじめに

  • 5 有意義で愉しい議論!
  • 6 現代社会を読み解くための道具立て

プロローグ

  • 24 「申命記」30章15~18節。「ご利益宗教」的な要素
  • 24 キリスト教はアメリカ化、土着化した

第一章 ハーバード大学 反知性主義の前提

  • 31 知性主義が先にあった
  • 32 ピューリタンは異常なほど高学歴
  • 34 ハーバード大はピューリタンが牧師養成のため作った。1636年、プリマス入植からわずか16年後
  • 45 浩瀚(こうかん)
  • 50 もっとも長い礼拝では、1625年に9時間も続いたという悲惨な記録があるw

第二章 信仰復興運動 反知性主義の原点

  • 62 禅の啐啄
  • 70 ジョージ・ホイットフィールド、「メソポタミア」の40段階クレッシェンドで聴衆を感動の渦に巻き込む! 催眠術師やん
  • 75 巡回伝道は炎上商法的な要素もあったのね
  • 83 舞台のコーラスダンサーの最前列の若い娘に心を奪われた亭主を見ている古女房
  • 85 学者・パリサイ人への反発心が反知性主義の源流
  • 87 enthusiasm 当時は悪い意味だった。日本語でも「こだわり」とかあるな。
  • 89 「詐欺師」の伝統……(一部の邪悪な)YouTuber とか参政党やん!
  • 89 con man
  • 89 PAPER MOON 昔借りて観たはず。覚えてないがw

第三章 反知性主義を育む平等の理念

  • 97 トマス・ジェファソン、素行はだいぶクズ
  • 101 「身の程をわきまえた」応分の振る舞いをするべき……『菊と刀』の日本やん!
  • 102 政治 > 宗教。めっちゃ世俗的で面白い状況
  • 105 アナバプテストは幼児洗礼廃止を主張
  • 107 宗教改革左派……まだ「左翼」という言葉自体ができる前やのに適用、面白い。
  • 107 ミュンスターの惨劇 キリスト教も十分狂信的でイカれとるよな。
  • 109 まず教会ができ、それに沿って国ができた
  • 110 迫害コンプレックス、アメリカでは共感を得やすい。日本でも判官贔屓という言葉があるな。
  • 112 英雄になるため進んで死刑にされに戻ってくるクエーカー、たいがい狂っとるやん。特攻隊なみに
  • 113 新渡戸稲造もクエーカー!
  • 116 笞刑(ちけい)
  • 118 政教分離は、各人が自由に自分の思うままの宗教を実践することができるようにするためのシステム

第四章 アメリカ的な自然と知性の融合

  • 131 フライ・フィッシング、礼拝としての釣り
  • 132 自然に没入するアメリカ式キリスト教は東洋的アニミズムと重なる
  • 141 反知性主義の本質は、このような宗教的使命に裏打ちされた「反権威主義」である。
    ずっとその姿勢を維持できればいいんだが……
  • 142 ソローがガンディーにも影響してた!
  • 143 ソローはエマソンの資産に寄生してたw

第五章 反知性主義と大衆リバイバリズム

  • 149 「メソジストって何?」「読み書きのできるバプテストさ」……DVD版ではカットされたジョーク
  • 150 ルターは流行歌のメロディーを讃美歌に流用
  • 153 「福音主義」は本来「プロテスタント」と同義
  • 154 民主党のロバはジャクソン大統領に由来
  • 156 町の人びとは「あの悪党(ジャクソン)が大統領になれるなら、誰でもなれる」と噂した。
    しかし独立戦争で家族をすべて失うという過酷な生い立ち。波瀾万丈やね。
  • 162 権力の自己増殖を防ぐことは、反知性主義の使命である。反知性主義は、ここでは社会の健全さを示す重要なバロメーターとなる。
    ジャクソン時代のアメリカは良かったのかもしれない。
    現代は……知性・専門知を軽視しつつ、権力は自己増殖し続ける、最悪の組み合わせになってるのでは?
  • 162 猟官制 (spoils system)
  • 168 ハーバードがジャクソンに名誉博士号、にアダムズ激怒
  • 170 イギリス人は comic、フランス人は wit、アメリカ人は humor を好む
  • 172 反知性主義には、相当の知性が必要なのである
  • 177 フィニー、意外にも科学は好き。「神が自然という書物を書いた」ので。
    反知性主義は単なる知性への軽蔑と同義ではない。それは、知性が権威と結びつくことに対する反発であり、何事も自分自身で判断し直すことを求める態度である。
  • 179 オウム真理教がやってたのは奇跡ではなく呪術=奇術=magic
  • 181 フィニーは神をビジネスパートナーに見立てた
  • 182 彼(フィニー)は、女性や黒人の社会進出を積極的に応援した。オベリン大学もすごい。

第六章 反知性主義のもう一つのエンジン

  • 197 「よきサマリヤ人」聖書自身に含まれている反知性主義
  • 200 宗教は庶民を統治するためのアヘン
  • 206 ムーディ&サンキーの伝道ツアーによる「売上」がすごい。でも私腹を肥やしてないからいいな
  • 208 むしろ逆で、巡回セールスとは巡回伝道をモデルにできあがったビジネス形態なのである
  • 214 今は十分な暮らしをすることできている この本では珍しい脱字。

第七章 「ハーバード主義」をぶっとばせ

  • 228 破天荒 これは誤用でしょう!
  • 245 「アメリカン・ドリーム」の体現者たちは自信がないため承認欲求が強かった。虚しいな
  • 252 サンデー「もしこの国のやり方が気に入らないなら、出て行ってもらえ」
    いまの排他主義者も同じこと言っとるやん!
    「彼の晩年の言葉は、まさにそのような異議申し立てから始まったこの国(アメリカ)の伝統を正面から否定するものとなっている」
  • 252 ギデオン協会って男限定なのか
  • 258 「道徳」をゴリ押し売ってきたカリスマ伝道者のドラ息子らが没落。皮肉よのう

エピローグ

  • 260 犯罪者には「知能犯」はいるが「知性犯」はいない
  • 260 インテリ、「知識人」は左翼知識人を指す言葉として登場した
  • 263 アメリカの反知性主義は「知性主義」と双子の片割れ。知識人が相対的に強かったので。
  • 265 アメリカだけに強く見られる反進化論の風潮 たしかに!
    「彼らは、自分の子どもたちに何を教えるべきか、ということで連邦政府から指令を受けるのを好まない」

あとがき

  • 273 まさかの小田嶋さん登場!! 泣いてまう。
    小田嶋さん自身の文章で同級生というのは知ってたが。
  • 274 剣道がオリンピックに参加しない理由――剣道は「勝ち負け」ではないからである。
    やっててよかった!!
  • 276 反知性主義の「正体」。たしかに全然理解が変わった。
  • 最後まで素晴らしかった!

読書について

2026/7/5-11 で読了。

故・山崎元さんが愛読してると知って 2023/5/27 購入。
たしかにめちゃくちゃ面白かった!
ためになるかはわからんがw

たぶん『自殺について』ぐらいは二十代で読んだと思うが、ほぼ覚えてない。『意志と表象としての世界』はもちろん未読。
これは哲学書というよりは毒舌エッセイという感じで読みやすかった(新訳のおかげもあると思う)。

ショーペンハウアーがそこまで後世に影響を与えていたことを寡聞にして知らなかった。凄い天才やったんやな。
ヘーゲル一派をここまで酷評してたこともw
「最近のイキっとる奴らムカつく! アホのくせに」全編このトーンで最高w
これ同時代人はどう受け取ったんやろ?

読書メモ

自分の頭で考える

  • 9 考える脳みその持ち主はめったにいないw
  • 9 意外にも「読書のすすめ」でなく「多読の戒め」を説く。
    読書を受動的な・惰弱なものと見なしてる。いまで言うショート動画やAI丸投げみたいなもんか。
  • 15 思想家は本・知識を吸収して使いこなせるから偉いという話
  • 26 騒音はこの上なくおぞましく、無益だw

著述と文体について

  • 33 スペインのことわざ「名誉と金は、ひとつの袋におさまらない」
  • 33 ドイツ国内でも国外でも、今日の文学は悲惨をきわめる
    19世紀初頭ですでにそう思われていたとは。
  • 34 ジャーナリスト=ジャーナル(日々)の糧をかせぐ人=日給取り!
  • 37 真の思索家タイプや正しい判断の持ち主、あるテーマに真剣に取り組む人々はみな例外にすぎず、世界中いたるところで人間のクズどもがのさばるw
  • 43 素材と表現形式。文学は後者を重視すべき
  • 44 またスペインのことわざ「どんな愚者でも我が家にいれば、他人の家にいる賢者より事情に明るい」
  • 49 書きたい気持ちにまかせてペンを走らせる詐欺まがいの売文行為w
  • 51 何ひとつ悪とみなさない人間にとって、善もまた存在しないからだ
  • 52 信じがたいことだが、匿名の陰で身の安全がはかれるとなると、連中は無礼きわまりなく、ひるむことなくペンでどんな悪事でもくりだす
    現代でもそうよなー。
  • 56 匿名批評家に言及するときは(中略)「しかじかの場所にいる卑怯な匿名の輩」
  • 56 オデュッセウスのウーティス (Nobody)
  • 57 夜のフクロウ 知的生産者の比喩。
  • 62 その名をあげるにも値しない多数のみじめな愚か者たちの哲学の教科書w
  • 62 ヘーゲル定期通信、通称《学術研究年鑑》
  • 63 誰にも理解できないように書くことほどたやすいことはなく、これに対して重要な思想を誰にでも理解できるように言い表すことほど、むずかしいことはない
  • 64 ホラティウス「正しく書く秘策は 賢くあること」
    身も蓋もないw
  • 68 「誘発する」という曖昧表現が当時流行ってたらしい。「連中のお気に入りの手口」w
  • 68 ドイツ人はものを書くときは愚鈍を見習い、生活全般なら不作法をすぐさま見習いたがる
    自国民卑下がすごい。どこの国もそうなのかも?
  • 69 思考停止な紋切型の言い回しを敵視。オーウェルにも通じる言葉へのこだわり!
  • 71 ふつうの言葉を用いて、非凡なことを語りなさい。真理やね
  • 74 ヴォルテール「形容詞は名詞の敵だ」
  • 78 かれらのような脳みそには微妙すぎて弁別できない AIの回答を理解してない現代人のよう。
  • 79 「こうした無知な三文文士たちはドイツ語から現在完了と過去完了を完全に追放してしまった」!
  • 80 ドイツ語はほとんど最低の野蛮語になりさがるw
  • 81 所有格が奪格に取って代わられつつあるという話。これはドイツ語にとって貴重な資料であろう。
    英語はどっちも現代に残ってるが、使い分けが非ネイティヴには難しい。
  • 82 腐ったおフランス趣味w
  • 83 形容詞が副詞的に使われるのは日本語でも「すごい」があるな。
  • 87 「言葉を簡略化する」大量の実例。執拗なほどだが、Newspeak 的傾向に危機感があったのだろう。
  • 94 talented という英語は当時はなかったのか。言葉は生き物。
  • 94 「ドイツ人は何事においても秩序・規則・法則を厭い」意外!
  • 96 ヘロストラトスのような売名的犯罪 実際有名にはなってるな。
  • 101 ドイツ語以外の主なヨーロッパ言語はギリシア語やラテン語の方言にすぎない
    強烈な母国語愛。
  • 103 (かっこつけてコンマを削るせいで)どの文章も二度読まねばならなくなる たしかに。
  • 107 プラトンはさまざまに修正を加え、『国家』の冒頭を七回も書き直したといわれる
  • 111 「現代」生活は猛スピードで進む 現代より遥かに「遅い」時代だったであろうに! 人類あるあるか。
  • 114 まるで破られた手紙の前半分のよう
  • 117 アリストテレス「ずばぬけて偉大なのは、比喩を見出すことだ」
  • 120 言語(≒論理)原理主義者やな。私も共感するが、大半の人類はそうじゃないんよねw
  • 121 これは国民性に由来する。ドイツ人ほど自分で判断し、自分の判断にしたがって断罪することを好まない国民はいない
    日本人と似てるような。ショーペンハウアーの自虐もあるのかもだが。
  • 121 知力はある種のとげとげしさ、鋭さをはらみ
  • 133 本物の学者は、……強烈なエリート意識。
  • 134 気取ったフランス人の国民的うぬぼれは何世紀も前からヨーロッパじゅうのお笑い種になっているがw

読書について

  • 139 現代の価値観からは意外な読書批判
    →暇潰し的に乱読しても何も残らんよということ。
  • 142 ヴェネチア・チェーンの職人は三十歳で失明!
  • 143 「ペルシア王クセルクセスは、(中略)百年後にはこの中のだれひとり生きてはいまいと考え、涙ぐんだ」俺やん!
  • 147 全員、ひとつの同じ鋳型からつくられたのだろうか
    わかるw。「量産型」みたいなやつね
  • 152 哲学は世界を支配する
  • 161 俚諺(りげん)

解説

  • 165 すごい英才教育受けてる! 9歳でフランスに置いてかれる。
  • 166 母ヨハナは父の19歳年下!
  • 168 ショーペンハウアーはゲーテと大親友になった。ゲーテはカントも愛読!
  • 170 「お母さんの本がこの世から消え去っても、ぼくの本は読み継がれます」すごい母子喧嘩!
  • 173 60代で「名声の喜劇」。存命中に評価されてよかった。(でも生涯独身か……)
  • 183 自身の熱烈なファンであるヴァークナーに対し「この人は音楽をあきらめたほうがいい」w
  • 184 ニーチェも「あたかも私のために書いてくれた」かのように感じるほど衝撃を受けた!
    トルストイも。

プロジェクト・ヘイル・メアリー

上 2026/5/31 - 6/15、下 6/18 - 7/4 で読了。

2021年末に邦訳が出て以来、「とにかく今すぐ読め! 何の前情報もなしで!」的激賞を Twitter で見かけることが散発した。
しかし本棚の単行本フロアはもう一杯。文庫本が出たら買おう……と思ったものの、一向に文庫になる気配はない。そんなに人気なのに?
この本は何らかの理由で早川書房が「文庫本を出さない」方針としているのでは?と邪推しつつ、ハヤカワのサイトを確認して落胆するのが恒例行事になってた。

それが今年、映画化するってんでやっと文庫本が出た!
ので発売されてわりとすぐ、2026/1/24 丸善で買った。
しかし。今度は公私ともに激動、という日々が続き。なかなか読みはじめられずにいた。
もろもろ(部分的に)落ち着いて、6月ごろからやっと読書生活に戻れたのである。

さすが各界の方々が絶賛してるだけあり、面白かった。
引き込まれるし、感動する。すごい発想力!と思う。
主人公の記憶が徐々に戻っていくという仕掛け、逆アルジャーノンとでも言うのか。(あれもハヤカワやったな)
全編通して「物理」!と感じた。観察、仮説、実験!の繰り返し、教育的。「生物」もあるか。

そう、物理。ちゃんと理解するには(高校)物理・化学の知識が要るだろう。
と言ってる私も下巻 p.159 の下記はまだ納得できてない。中心に近付くほど重力「強くなる」のでは?

いまはコントロール・ルームより上になっているラボの重力は下より小さい。遠心機の中心により近いからだ。

その前 p.156 「遠心機のなかで感じる力は半径の二乗に反比例する」これもわかったつもりで読んでたけど、遠心力って下記どっちかのはず。

  1. 角速度が一定の場合 F = mrω2
  2. 速度が一定の場合 F = mv2 / r

反比例と言ってるので 2 に該当しそうだが、r2 じゃないよな?
r2 に反比例するのは万有引力。ん~、私が知らない法則がまだあるのか?

PHM号の形は最初から(上下巻ともで)図解されてるものの、「それはどういう形?」とモヤる場面もちらほらあった。エアロックと「トンネル」の繋ぎ方とか。
私が空間描写の読解が苦手なだけなのかもしれないが。読者はみんなちゃんと理解できてるのかしら?

ともあれ、豪華娯楽超大作であることに変わりはない。
不屈の精神力。フィクションとはいえ、凄い。人はここまで勇気と責任感と忍耐を持って生きられるだろうか?

あとこの版はカバーが「二重」。外側は映画の宣伝版、内側が本来の絵のやつ。こんな売り方もあるのかw

読書メモ

  • 41 振り子を自作して実験。物理の教科書のよう!
  • 47 突然の「アマテラス」!
  • 76 突然「セカイ系」っぽく!
  • 123 えーっ投棄すんの?!
  • 147 LEDは、最初は絶対にまちがった向きに留めてしまうw
  • 157 電子レンジの仕組み。物理の教科書のよう!
  • 202 ミーティングなし。気になる雑音いっさいなし。至福の時
  • 240 ロシア製EVAスーツを着る描写、すごいリアリティ。これは実際着てみたのか?
  • 260~ リスクを減らすために極限まで簡潔にする。正しい
  • 274 ignoble イグノーベル賞の元ネタか
  • 277 Excel「充分に実証済みの既製品」w
  • 293 異常な状況でも退屈することはある。
  • 304 小さいエンジン1009基で冗長性・安全性・信頼性を確保。
  • 322 任天堂パワーグローブ
  • 365 生物有機体はすべからく、なんらかの形でエネルギーを補給しなければならない
    よくある誤用?と思ったが、「しなければならない」が「当為」なので合ってるか。
  • 375 共通のボキャブラリーを数千語にまで増やした 優秀すぎる!
    実験や勉強の話のようにも思える。
  • 395 いわゆる最高にエモいところ
  • 425 クソの山に突っこんでバラの香りをさせて出てくるw
  • 431 オレンジ色がどんな色か、おなじ意見を持つ気候学者を二人見つけるのもむずかしい
  • 435 ミツコウモンナマケモノw
  • 438 放射線についての説明、わかりやすい

  • 22 採血で気分が悪くなる 俺か!
  • 26 「重要ではない言葉だ」w
  • 31 コロンブスが(すでに大勢の人がいた)北アメリカを発見
    SFはこういう啓蒙性もあっていいな。
  • 44 「それがロシア人でありながら、同時にしあわせでもいられる唯一の方法だ」
  • 54 エイドリアン!
  • 72 性的関係を開始
  • 109 地球人が相対性理論に気付けたことがすごいということを示唆している。
  • 119 ビートルズは当然「クラシック」扱いか
  • 122 大変すぎる内職。思考と試行、実践が連続する大長編や
  • 136 輪っか・ウインチの仕組みがすごい。これは動画で見たい!
  • 156-159 遠心力、重力の関係に悩んだ(上の本文参照)
  • 197 思考速度が同じなのはなぜ?という非常に面白い問い。
  • 261 JAXA!
  • 285 碇シンジ的状況
  • 345 親友との別れ。泣けてまう!
  • 363 ここまで来てもまだ波乱万丈。事件密度がすごい。
    でも実際の宇宙飛行もこういう(生きるか死ぬかの)トラブルの連続なのかも?
  • 388 受け入れがたい悲劇に直面した時の「吐き気」。今の私ならわかる
  • 美しいラストシーン!
謝辞
  • 435 簡潔ながらいい謝辞。
解説
  • 446 ここには伝統的な(オールド・スクール)SFのファン(わたしのような)が愛するあらゆるものがある

フィジカルAIの衝撃

2026/6/19 例によってお世話になってる人からご恵贈いただき(借り?)、6/20-21 でさっと読了。

たしかに「衝撃」的な未来像が語られている。
それが「いつか来るかもしれない未来社会」でなくすでに始まっている不可逆的な流れである、というのが一番の衝撃か。

フィジカルAI ってのはちょっと前に読んだこれ ↓ でも主題になってて、 takeshobo.hatenablog.com 人間の脳と同じような仕組みで現実世界を認識できるようにするのが王道!という話だったと思うが。
本書の定義のほうが「物理的に」広いものを指してるように思う。学習を続ける環境込みのAIという。

著者はテクノロジー・経営界でものすごい経歴をお持ちの有名な方のようで、その圧倒的な見識の広さと先見性はさすがに説得力がある。
ただ全編通して、(最近 Twitter でもよく見る)「○○は、△△ではない。□□なのだ」文体が多用されすぎてるのは気になった。その修辞そこまで要る?とは思うw

すべてがこの本の予想通りに進むとは限らない。2030年でもヒューマノイドはまだ普及してないかもしれない。
しかし、業界や地域による時間差こそあれ、大筋ではこの流れは止まらないのだろう。
参考になりました。読めてよかった。

読書メモ

  • 30 アメリカではすでに自動運転が実用化している
  • 54 フィジカルAIは現場ごとに学習させる必要がある
  • 92 世界を学ぶ知能(WFM)は、世界に開かれていなければならない
  • 96 Factory is the product
  • 100 学習の複利 を生む回路を作れればよい。
    Musk という人間は嫌いだが、理念の壮大さはすごいな。
  • 103 Production Hell
  • 103 First Principle 思考 … まあ「必要なものだけ使うボトムアップ方式」とも言えるか。
  • 117 フィジカルAIとは、失敗をゼロにする魔法ではなく、失敗を学習に変換する仕組みである
  • 119 "線" は1次元では?w
  • 120 Unboxed Process … 工場の設備をFPGAっぽくするっていう思想だが、具体的にどうやるんやろ
  • 133 現代自動車のSDF
    懐かしのSDN、最近の IaC にも通じる考え。
    こっちもどうやるんやろ? 理念・利点はわかるけど。
  • 146 フィジカルAIは、ハイテク企業の特権ではない
    みんなで賢くなろうって感じで良い。
  • 153 「減価償却」を「成長」に書き換える
    揚げ足取りのようだが、減価償却という概念自体はなくならない(成長と対立するものではない)のでは。
  • 177 ヒューマノイドは合理的。人間界を変える必要がないので。
  • 187 2030年のヒューマノイド予想図。夢がある。
  • 211 4人の凄アナリストたちの視点
    1. 計算・エネルギーインフラ層
    2. 世界基盤モデル層
    3. 産業OS層
    4. 身体・現場インターフェース層
  • 221 銘柄の分類は大地、OS、身体
  • 242 NTT 「キャリア」を超えた評価を得られるかが課題
  • 247 ダイフク 知らんかった。素敵な名前!w 日野にも工場あるのか。
  • 256 SONY CMOSイメージセンサーそんなに強かったのか
  • 263 テルモの経験、他にはないから参入障壁になる。
    医療は最終的に「信頼がすべて」であり、信頼の積み上げを事業資産として持つ企業は強い。

菊と刀 (光文社古典新訳文庫)

2021/1/16、なぜか広島駅前ジュンク堂で買って、積んでた。
4月に某おじさんとの会話で話題に出たので、そういえば僕も家にありますわ!てことで、2026/4/30 - 5/31 で読了。

面白かった! さすが古典的名著。やはり文化人類学者の文章は読ませる。

レヴィストロース神が100歳まで生きたのでつい先輩に思えてしまうが、なんとベネディクト(旧姓フルトン)のほうが31年も前に生まれている。その師匠のフランツ・ボアズは「アメリカ人類学の父」らしい。

ベネディクトが日本に行ったことなく、資料と日系人らへの聞き取りだけでこれを書き上げたというのにまず驚く。
『菊と刀』はベネディクトの戦時情報局における1944年の調査が基になっている。日米の国力は圧倒的に差があったにも関わらず、これだけの分解能で日本人の習性 (Patterns of Japanese Culture) を調べ上げていたということにもっと驚く。
そのころ日本ではせいぜい「鬼畜米英」ぐらいしか言ってなかったのでは? そら負けるわ。

そして肝心の内容、「日本人の行動パターン」。
戦後80年を経て、「日本人」像は大きく変わってしまったなと感じる。「こんな人は今時おらんよな」という隔世の感がある、良くも悪くも。
もちろん「忠」や「義」に縛られて、「分相応」に振る舞うことだけが唯一至上の評価基準であるような社会は息苦しい……というかそういう人種生きてる意味あるの? 哲学者とかいないの??と思ってしまう。なので「昔の日本人は立派だった、それに比べて……」とか言う気にはまったくならない。
とはいえ当時の日本人全員がそこまで機械のように演じられたわけはないので、これはあくまで「典型的な」日本人の行動原理を解説したものであろうとは思う。

読書メモ

  • 14 日本人を描写するために、「その反面……」という言い回しが数え切れないほど繰り返されてきたw
  • 23 わたしは文献を読むとき、絶えず次のように自問したものだ。「この絵の間違い」はどこにあるのか
  • 32 文化人類学的アプローチの説明。親切
  • 32 紛争が起こったときに、「埋めがたい溝がある」などと心配する
  • 33 モノを見るときに、自分の目を自覚することはむずかしい
  • 39 社会学者や心理学者は統計を駆使してた。当然 Excel などなく、PCが普及する40年以上も前。すげえ
  • 41 アメリカでは政府を必要悪と見なしている

  • 45 日本を作者とするのにふさわしいファンタジー(→当然アジア諸国は受け入れてくれず)

  • 57 日本人が重視したのは、世界にさらされる自画像であった
  • 66 天皇が日本の最高の地位に就いたのはごく最近のことである
  • 76 節を枉(ま)げなかった捕虜もいる

  • 81 ハル・ノート、平等かつ不可侵の権利を是とするアメリカ人の信念の主要部分
    アメリカも当時はこれが理想やったのにな~。

  • 93 兄たり難く弟たり難し ベネディクトの誤解らしいが、そもそもこの言葉を知らんかった。
  • 101 歴史のどこを探しても、れっきとした国が文明を計画的に輸入するのに成功した例は、ほかには見当たらない
  • 101 たしかに日本は科挙ないな
  • 115 日本の天皇観は神聖首長

  • 127 明治維新のあらすじ。改めて読むと激動っぷり凄いな

  • 132 木戸侯爵、じゃなく金子堅太郎、がスペンサーと懇談して憲法草案を考える。
    すごいな、YouTube で英語学んだりもできない時代にそんな深い話ができるなんて! いまの俺でも無理そうやのに。
  • 141 日本人に言わせると、「国家神道は宗教ではない」!
  • 142 教派神道
  • 143 勧請(かんじょう)
  • 146 明治の軍隊は実力主義だったため国民に好評だった
  • 149 その政策に同意しているからではなく、特権の聖域に踏み込むことを是認しないからである

  • 157 欧米人は、それ(世間のおかげ)を極度に軽視する

  • 157 日本人が、わたしたちには無用と思える場面ですぐに度を失って憤慨
  • 165 日本語における の範囲。
  • 166 恩を着せられるのを嫌う。わかるけど、めんどくせーな当時の日本人w
  • 172 英語フィルタを通して読む『坊つちゃん』、新鮮
  • 177 医師の回答(子供に与えた恩が重すぎた)、全然共感できずw 俺はベネディクト寄りやなー

  • 190 日本では仁の地位は低い

  • 191 仁義立てに励む≒日雇い仕事を斡旋 そんな意味が!
  • 199 憎い嫁 かわいい孫を やたら産み
  • 204 日本の知識人はこのような(天皇に神性があるという民間伝承にもとづく)主張をいっさい斥ける
  • 208 行軍の演習で水を飲むのを禁じられ、5名が死亡!
  • 208 アメリカ人にとって新規の法律は……忌み嫌われる
  • 211 人間の行動に影響を及ぼす感情がいたって多様である
    ほんまに欧米とは違う精神性やったんやね、当時の日本は。いまはどうか?

  • 213 義理は日本独特の概念

  • 218 小糠三合あるならば入婿すな
  • 223 復讐も忠誠も、義理である
  • 227 エビで鯛を釣る→「雑魚をもらったお礼に鯛を贈る」w
  • 227 鯨幕 勉強になる!
  • 228 義理のやり取りは注意深く記帳される。将来、その義理を返すときに備えて。
    わかるけど……日本めんどくせー!

  • 230 大体合ってるのだろうが。ここまで「空気読む・従う」を最重視する民族なら、哲学者など生まれるのか?!という疑問は出てくる。

  • 236 前段知らんかった>えさが欲しけりゃ雛は鳴く。武士は食わねど高楊枝
  • 236 勝海舟の手術エピソード壮絶!
  • 240 大晦日には評判を挽回しようと、自殺する者が続出する
  • 241 天皇への忠を示すため自殺した人たちの例。かわいそうすぎるやん!
  • 244 日本人は競争相手がいるとテストの成績が落ちるという実験。面白いね
  • 249 頰かむり夜這い! 奇習って感じでいい
  • 250 ニューギニア、メラネシアの例。ポトラッチっぽい
  • 257 (復讐は)きれい好きな国民が入る朝湯の一種にすぎない
  • 258 かわいそうな名古屋山三! 正解したため逆恨みで殺された。これが正当化されるってなんて野蛮な国民?
  • 271 躁鬱激しい国民性やな
  • 277 ベネディクトの勘違いw
  • 278 臨機応変の現実主義は、名に対する義理の明るい一面である
  • 279 武士道は官製用語で国民に根付いてない。鋭い指摘

  • 283 湯の温度は摂氏四三度以上 具体的!

  • 286 睡眠をむさぼることも、日本人の楽しみの一つである。それはきわめて完成度の高い技であるw
  • 288 睡眠も食事も我慢すれば鍛えられるという陸軍の精神主義
  • 301 和魂と荒魂
  • 301 剽悍(ひょうかん)
  • 303 本居宣長、漢人を蔑視
  • 304 幸福の追求を人生の真剣な目標とする考え方は、日本人にとって、大それた、いかがわしい考え方である
    この感覚は私にも長い間あった気がする。
  • 307 日本の戦争映画を観たアメリカ人「今まで見た反戦映画の中で最高の作品だ」→日本人はそう受容しなかった

  • 309 日本人そこまで厳密か?とは思うが、典型例としては面白い。
    日本人がこれを読むと自分らを客観視・相対化できるのがいいのだろう。この通りでなくてええんやと。

  • 309 行動領域……ジョナサン・ハイトの「道徳マトリクス」みたいな話か
  • 311 截然
  • 313 日本人は生活を人生劇場と見なしている
  • 315 ハッピーエンドでなく「修羅場」を求める日本人。(クライマックスという構成は一緒では?)
  • 317 忠臣蔵のあらすじ。初めて知った!
  • 317 伺候
  • 319 仇討ちに目論見書が必要やったとは
  • 322 刀の鯖! すごい。浪士たちの潜伏期間の所業が壮絶。
  • 324 くッ、あらすじだけで泣いてしまうとは!
  • 324 ここに謹んで尊君へ…… ← 実際は後世の偽書!
  • 329 日本人は同じ主人公を弱い人間だと非難 うちの親がそうやったかな。
  • 332 軍人勅諭と教育勅語は、日本の正真正銘の聖典である
  • 335 軍人勅諭 忠 > 義
  • 337 大節(たいせつ)
  • 338 股肱(ここう)
  • 339 正義は山よりも重く、死は鴻毛よりも軽しと覚えよ 狂信集団やな。
  • 346 誠実さは指数なのである
  • 347 コントラクト・ブリッジ
  • 349 自分を大事にしなさい、今は将来を決める大事な時期だから……昔からこの言い回しあったのか。
  • 357 渡米した日本人は中国人やタイ人より苦労した
  • 360 ホッケーのトーナメントに出場したテニスの名選手のような気持ち 使いたい比喩。
  • 360 盆栽 これも。

  • 374 主客合一 この章面白いなー。

  • 378 いずれにせよ仏陀になるのだ。←そういう教えなの?!
  • 381 禅宗ではそのような荒唐無稽なこと(瞑想によって超自然的な力が身に付く)は主張しない
  • 385 経典や書物のどこをひもといても悟りを開くことはできぬと信じるのが禅
  • 393 日本人にとって自己観察と自己監視が重荷になっている

  • 421 人前で裸を見せるのは恥ずかしいことだという感覚の定着を(政府が)図った

  • 431 ジェフリー・ゴアラー、日本社会では「『外界』から認められるということが重要性を帯びる」
  • 435 下級生は上級生に「愚にもつかない、屈辱的な曲芸まがいのことをさせられる」。昔からのいじめ体質。
  • 438 日本の将来を憂える指導者が、国家の再建にあたって特に注意を向けて取り組むべき事柄は、いじめの問題である。
    この時点でベネディクトは喝破していた。
  • 443 陰膳
  • 445 そもそも芸者との色事は望めない
  • 446 性の営みと庭作りを、本から学ぶ事柄として同列に置くというのは面白い
  • 447 和製英語でヒステリー
  • 450 日本人は、将来の天国を思い描く必要はない。なぜなら、それは過去にすでに経験しているから
    そうなん??w でもいいなこれ
  • 463 自分の好きなように行動することは、日本人にとって目眩く体験

  • 469 ポツダム宣言:「日本国民をあざむき、世界征服に乗り出すよう煽った人々の権威と影響力」は、永久に払拭しなければならない。

  • 475 彼らはそれを復古と称した。日本人は革命家ではない。
  • 478 日本人の倫理は、方針転換の倫理である
  • 493 大量生産と機械設備は完成の域に達し、アメリカ国民は就職先を探すのに苦労するほどである。……外国ではその様相はまったく異なっている
  • 494 そのような平和愛好的な日本であれば、世界各国の間で名誉ある地位を獲得することが可能になろう。
    まさかこのポジションから外れそうな危機が訪れるとはな。

解説

この解説だけでも泣けてくるな……ボアズのくだり。『社会はなぜ左と右にわかれるのか』にも繋がってる。

  • 506 フランツ・ボアズ やはり先生いたのか。
  • 507 1934年『文化の型』アメリカではこっちが主著と見なされている。
  • 512 恩にともなう借りを返そうと躍起になる坊ちゃんの心理は病的 私にもそんな時期があった。

訳者あとがき

  • 538 本文を訳していると、いくら調べても「正解」にたどり着けないことが多く 苦労!
  • 538 キの字って「木」の字?と思って読んでたが。ただ「自制心」という意味はないか?

Politics Vs. Literature & Politics and the English Language

TOEIC でいつも Reading が90問ぐらいのとこで時間切れになってしまうので、速読力を上げねば、てことで買ってみた。オーウェル大好きやし。
移動中にちびちび読み、2026/1/5 - 5/24 でやっと読了。

※私が Amazon で買ったのはこの本ではなく、このエッセイの前に "Politics Vs. Literature" も載ってる黄色い本。

オーウェル自身がこの本で「かっこつけて意味わからん駄文書くな、ボケがっ」と述べてるくらいなので、文章は明瞭で読みやすい……はずなのだが、さすが作家の文。未知の単語だらけで調べまくり、ものすごい時間かかってしまった。
Cambridge Dictionary +Plus でこの本専用に作った単語帳をなんとかちょうど500単語に収めたw

単語が難しいだけでなく、長い文は文意を取るのが難しいのもあったが。
後半の Politics and ... は
決まり文句にまみれた中身のない文章を書いてると思考も劣化する→思考が劣化すると文章も劣化する
この悪循環を我々は意識的に断ち切らねばならない!という、「知性の守護者」としての使命感みたいなものが伝わってくる、良い随筆でした。

読書メモ

Politics and the English Language

  • 48 英語の乱れに苛ついてた。1946年ですでに。
  • 54 表記の乱れも(例 toe the line -> tow the line)。元の意味わかっとらんやんと
  • 56 an air of culture and elegance を出そうとしてムダに外来語使う。日本と一緒やんw
  • 65 コピペした駄文は便利さもあるが、自分で考えて書いた文じゃないと意味がない。
    パソコンすらない時代に書かれたものだが、AI 時代の "slop" 批判にも通じる。
  • 68 ごまかしのための言い換えいろいろ
  • 69 現代においてはすべてのことは政治的
  • 73 明瞭な文章を書くための技法が語られている。
  • 76 文頭の and が小文字。この本はちょいちょいこういう表記が怪しいところがある