武書房

GREEのレビュー機能が終わるので今後はこっちに書きます。

侍女の物語

2022/5/14~7/5で読了。おもに通勤電車でチマチマ読んだ。

本書はここ数年よく話題になってた気がするのでついに買ってみたが、最後らへんまで1985年の作品とは知らずに読んでた。
たしかに携帯電話のようなものは出てこないし、コンピュータ的なものの機能も素朴。いわゆるディストピア「SF」ではないのか(なので epi なのか)。
しかし『1984』を思わせる、執拗に作り込まれた嫌すぎるディストピアがある意味面白かった。

比喩がめっちゃ多く、なんというか詩情がすごい。
スクラブル、even-Steven(p.313)、Book of Job(p.316)、メリーウィドー(p.446)といった語彙も増えた。
テロにより破壊される前の日常の回想で、「煮え切らない意見」のくだり(p.412)なども面白い。
(p.217「瘦せ衰えてた」は脱字?)

おそらくフェミニズム、反ファシズムの文脈で語られることが多い作品なのだろうが、絵的に魅力的になりそうなので映画化したら←もうしてたか。
てことで選挙行ってこよ。