武書房

GREEのレビュー機能が終わるので今後はこっちに書きます。

流浪の月

2023/8/12-13 で読了。

朝日新聞デジタルの記事に触発されて購入。
(…読んでから気付いたが、記事のメインは青山美智子さんでした。ただ凪良さんは滋賀出身ということを知って俄然読みたくなったような?)

本屋大賞」という賞を今まで気にしたことがなく縁がなかったが、さすが読みやすく、引き込まれた。
「面白かった!」というのはあまりふさわしくない作品である気がするが。

優しい、繊細な、美しい物語でした。
特殊な状況で支え合う人たち、まさに「人」の話。
主人公の更紗はそれが「愛ではない」と繰り返し言うが、広義でそれも愛と呼ぶんだぜ!と強く言いたい。

性犯罪の被害者がいかにその後の人生を破壊されるかがしっかり描かれている。
しかし…正直もどかしさもある。
真に罰されるべき奴がおるやろ! 告発しようや!
子供のころは無理として、大人になってからいっぱいチャンスあったやん!!

まあそれは単純な勧善懲悪脳から出た雑な意見で、実際の被害者がそういう行動に出ることは心身ともに難しいので、セカンドレイプ的な発言になってしまうのかもしれないが。
泣き寝入りしてしまった人たちからは、そういう展開は安直かつ非現実的なヒロイズムに見えるのかもしれない。
私としては #MeToo を邪魔せず、世の中の歪みが正されていくほうに手を貸したい。

思わず付箋を貼ってしまったところ

  • p.317 大学生ともなると
  • p.332 結構いる