武書房

GREEのレビュー機能が終わるので今後はこっちに書きます。

バカと無知

2022/11/27、2日かけて計3時間ちょいで読了。

岡田斗司夫さんが絶賛してたので買ってみた。10/20発行でもう4刷もいってる!

たしかに読みやすく、面白かった。
ただ、全体としては「まあそんなものでしょうな」という感想で、岡田さんの解説以上の興奮はなかったかなw。

週刊新潮の連載をまとめた新書。なのでコラム集という感じでどこからでも読める。
そのせいか、けっこう繰り返しもある。「人間は徹底的に社会的な動物」というフレイズが「小僧ども」ぐらいの勢いで出てくるw

書名になってる「バカと無知」は PRAT Ⅱのタイトルで、「バカは自分がバカと気づかないから自分を過大評価する」「バカの意見聞くのは無益」みたいな話だが、それって2600年ぐらい前から言われてたことでは?とも思う。

上記は「ダニング=クルーガー効果」の説明で、他にも古今の様々な心理学の実験、研究を紹介した話題が多い。というかそれがメインか。
巻末に参考文献があって大体は出典が示されてるが、明記されてないものもある。ゴルトンの「牛の体重当てコンテスト」の逸話は私も『超予測力』で知ったが、参考文献には挙がってない。有名な話なのだろうか。

「美人は平均より8%収入が多く」(p.133)って否定されてなかったかなそれ…と思ったら山形さんが紹介してくれてたこれか。どっちが正しいのかしら…… econ101.jp

「男脳/女脳」みたいな言説は大体トンデモだろうと私は警戒してるが、男と女で網膜の作りが違う(p.161)、「見える世界」が違うというのは知らなかった。
記憶がいかに可塑的かつ不確かかを示す「ショッピングセンターの迷子記憶実験」の話も面白かった。

服従の心理』も出てくる。ただ「蛇足 服従実験批判」の観点までは織り込まれてないかな…と思ったが、「蛇足のまとめ 服従は信頼の裏返しである」を意識したようなタイトルにはなってるか。

さすがに誤字脱字はなかったのは嬉しい。最近の本では貴重。