マスダ先生の激賞を見て 2020/9/22 に買って、積んでて、2022/8/21-2023/3/12 でやっと読了。
そこで自宅PCの画面が壊れ、実家に帰省、ぎっくり腰発症、でしばらく感想文どころじゃなくなってた。
原注+参考文献だけで79頁もあり、そこ一通り読むだけでも1~2時間はかかった。私より4~5歳上なだけの著者たちの執念というか研究心に恐れ入りました。
1960年代まで政党が、左右どちらも、公然と「ヤクザを利用」してたという事実に驚く(壮士、大陸浪人、院外団、暴力団など細かい違いはあるが)。ケンカによる政治かよ・・・
1925年に普通選挙法(男子だけだが)が公布されてからは、暴力は割に合わん、数的に無理ということでかなり下火になり、敗戦後はさらに厭悪されるようにはなってたようだが、それでも暴力専門家たちはそれなりの影響力を持って残っていた。
そんな野蛮な時代がつい数十年前まで続いていたとは。コンプライアンスとかハラスメントといった概念が流通した現代は、まだまだ不十分な面もあるとはいえ、はるかに進んでると言えるな。(そんな時代にもウクライナ侵攻が起こってしまうなんてやりきれないが)
以下気になったとこメモです。
- 9 和をもって尊しとなすという俗論は「創られた伝統」
- 13 愛国的で反抗的な暴力
- 52 博徒「大島渚」!
- 72 壮士「歯の浮くような新名称」w
- 83 「左肩を怒らせたポーズ」の金沢壮士。珍獣やん
- 109 1892年の選挙。日本中で投票箱盗まれまくりで大混乱!
- 112 茨城では~以降、同時多発暴力のグルーヴ感がすごい。時はまさに世紀末!
- 116 デヴィッド・「ラポポート」誤記かな
- 150 1920年代。「弁舌に自信が持てないなら暴力に頼るように」w
- 160 なんとなれば おそらく誤用。「なんなら」なら通る
- 164 破天荒 これは典型的な誤用。
- 176 「職業的な愛国主義」が1920-30年代すでに生まれていたのか。
- 186 国粋会と正義団が掲げるイデオロギーは「国家の歴史を創作」
- 209 渡辺銕蔵「大正の志士は無学、無知、臆病であり、国家を妄信するあまり国家に害をなしている」
- 250 支配階級の機嫌を損ねないことがヤクザにとって重要な戦略
- 263 岸→児玉誉士夫
- 272 金融取引は世間の目に触れる機会が少ない分、暴力よりも効率のよいビジネス
- 278 暴力は「近代化」をドライヴもした、という極めて明晰な説明。
- 281 国家的暴力の乱用に対する批判より、暴力専門家との連携に対する追及のほうがかわしやすいと考えたからかも
- 284 今に至るまで日本は暴力的民主主義の国である。
- 原注p.10 50. 尾形鶴吉『本邦侠客の研究』
1981年では?1933年で合ってた - 原注p.20 132. この「すべからく」はおそらく誤用