武書房

GREEのレビュー機能が終わるので今後はこっちに書きます。

未来からのホットライン

2021/6/5に買ってずっと積んでて、2023/2/9-4/9で読了。
おそろしく面白かった。

原題はエヴァでも引用されてた THRICE UPON A TIME。てことで買ったような記憶があるが、アン・パタースンも出てきてなるほど~となった。
1980年(私が生まれた年)にここまですごい作品が書かれていたとは。私が凡百のSF作家なら絶望して筆を折ってそう。

タイムパラドックスを作中でどのように実装・処理したかのアイディアがまずすごいが、歴史、自然、青春、恋愛、核融合、政治、パンデミックなどの要素がてんこ盛りで、どこまでいくねんこの小説すごいな!となる。29(章?)からは突如会議室ドラマの様相も呈する。最後までどう決着するかわからず飽きさせない…なんせ「タイムマシン」があるので。
あと bootstrap という単語は80年代すでにあったのか。(調べたら50年代から使われてたそうな)

印象的な比喩、表現などのメモ:

  • 32 問題の出現を待っている正解
  • 36 女の井戸端会議みたいなおしゃべり
  • 50 顔に書かれたことを声に出したもの
  • 86 『友を遠ざけ他人の影響を受けずにすむ方法』w
  • 123 「話の合うところが何もないんですもの。自分たちの世界だけに安住している人たち――」
  • 145 コンクリー ←脱字?
  • 157 英国人は修正第五条を必要としない
  • 175 一方通行のマジック・ミラー
  • 214 いつでも明日にのばすほうがよさそうにみえること
  • 307 「言語の発明」!
  • 313 OSSの考えに通じる。
  • 329 縮潰(シュクカイ)
  • 329 完璧な再循環システム!
  • 342 strain に「株」という意味があることを知った。(つい最近 strained back になったので)
  • 366 元同僚とのカッコよすぎる会話。
  • 372 フェイルプルーフ foolproof じゃないのか。
  • 385 ユリ・ゲラーがすでに過去!
  • (以下は訳者あとがき)
  • 425 科学者の「洞察力」
  • 426 先蹤(せんしょう)
  • 435 3回も結婚してたとは!

本筋じゃないけど、製本の作法もろもろがハヤカワ文庫と違う(1ページ目から始まる! 奥付が最後じゃない!)ので、戸惑いつつも新鮮であった。