2023/1/15~2/18、広電でちびちび読んで読了。
最初から最後がわかってるという珍しい小説。すべての時間が同時に存在しているという「トラルファマドール星人」の観念を模したのか。おなじみのコミカルなテンポ、人を食ったような文体がなんとなく Wes Anderson 映画を思わせる。
トラルファマドール星、ラムファードといった既知の固有名詞たちも頻出(スターシステム?)。私はまだ『タイタンの妖女』しか読んでないけど。
作中で執拗に繰り返される(諸行無常)「そういうものだ」(So it goes.) は、ほぼ念仏だろう。
ドレスデンの破壊を体験した筆者の、ほかに言いようがない言葉なのではないか。
この作品から50年以上経ったいまでも一部の人類は愚かなままでいる、残念なことに。
気に入ったところ
- p.154 地球人にはすくなくとも七つの性があり
- p.175 もっとも恵まれた支配階級
- p.257 もっとも幸福な瞬間
- p.264 「奥の部屋は成人のほか立入り禁止」! そんな昔からあった展示法なのね。