2016/6/5 に買ったものの、ずーっと積んでた。
2024/11/24 - 12/30 でやっと読了。
特に第7章の、下記4パターンでシミュレーションするところは、実際に自分でも手を動かしてみないとなかなか腑に落ちないだろう(私はやってない)。
モデル | 資本市場 完全 | 資本市場 なし |
---|---|---|
世代重複モデル | ① | ② |
ラムゼイ・モデル | ③ | ④ |
将来価値の「双曲割引」については昔『誘惑される意志』で読んで知ってたのですっと理解できたが。
そもそも不平等≒格差そのものが「悪」なのか?という論点も含めて、ルソー以降、つまりこの約260年の「経済学 vs 不平等」の経緯を俯瞰できる(山形さんが帯で書いてるとおりやな)。
なので一読してすべて理解しようとするのではなく、必要に応じて参照すればよい本かと思う。
素人には馴染みない専門用語も多く、「内生的成長」ってどういう意味やっけ…とか探してしまうことがあったので、索引があればいいのにと思った。
読書メモ
- 13 17世紀、「自然法」に新たな定義が付与された
- 13 スミス>ルソー「レトリック過剰で分析の役に立たない」w
- 20 水準低下の異議
- 45 マルクス「搾取に関する基本定理」
- 55 マルクス、「失業者が0にはならない」とは論じ切れていない
- 62 19世紀前半まで、いわゆる「知の巨人」たちはほとんど大学人ではなかった
- 69 収穫逓減は農業の特徴、工業では資本⇔労働の代替性がないとみなされていた
- 74 新古典派経済学では、資本家と労働者は同じ人間であり、資本の有無が違うだけと捉える
- 76 learning by doing で技能習得
- 84 融通無礙 碍の誤記?と思ったけどこうも書くのか。
- 87 約(つづ)めて
- 98 勤勉革命
- 110 各国ごと 気になる
- 126 ゲイリー・ベッカー、「○○の経済学」を多発
- 132 収穫逓増もある
- 147 「分配→生産」方向の影響もある
- 151 令名
- 152 「完全競争モデル」にも流派がある
- 174 spill over
- 191 支弁
- 192 貸し倒れリスクが高いので、学資ローンの貸し手は「非常に抑制的にならざるを得ません」
- 194 公教育というもののそもそものやる意義を(人間の自明な義務とかでなく)メタ的に考えてて面白い。
- 195 公害 = public bad
- 198 「中位所得が平均所得を大きく上回れば上回るほど、その意味において所得が不平等であればあるほど」その前の説明と逆に思える……
- 207 データ集めは大変な肉体労働
- 210 マルサスの罠
- 239 アセモグル&ロビンソン、ピケティが言ってもいないことを批判