武書房

GREEのレビュー機能が終わるので今後はこっちに書きます。

ひとの気持ちが聴こえたら

2021/8/12*1、実家で読了。
メモ見たら今年の2/22から読みはじめてた。半分くらいまで楽しくちびちび読んでたが、5月の連休後から殺人的に忙しくなりずっと止まってたのだった。

原題は "SWITCHED ON"、『スイッチが入ったら』みたいな意味か。なので邦題は意訳だが、著者の職能(音響エンジニア)とも掛かってて巧いと思う。

アスペルガー症候群に苦しみながらも超人的な電子工学の才能により社会的には成功を収めていた中年エンジニアが、TMS(Transcranial Magnetic Stimulation、経頭蓋磁気刺激 けいとうがいじきしげき。ズガイじゃないらしい)という治療法に出会って50歳にして「感情」を獲得する、まさに touching な自伝。
…というあらすじは岡田斗司夫さんの紹介で知ってた(というかそれを読んで買った)、ので読みながらの驚きは少なかったが、それでも非常に感動的な実話であることに変わりはない。

たぶんこれ読んだ人の4人に1人ぐらいは「俺もTMSやってみたい!」と思ったのではないか。
私ももちろんその1人である。著者ほどガチのアレではないと思うが、幼いころから親に「お前は自閉症や」と言われたり、成人してからも知人の医者から「アスペルガーか!」とつっこまれたりしたことがあったので。人の目を見るのはいまも苦手やし。

ただロビソン氏も自問してるように、自閉症などの症状があったからこそ開花した才能にしか見えない例も古今東西いっぱいあるわけで。いたずらに「普通」を志向した結果、稀有な才能の種を潰してしまうおそれはある。「角を矯めて牛を殺す」ちゅうやつね。
ゆうても世界のほとんどの人は「KISSの火を噴くギターを作っ」たりしてないからな…。1回お試しで受けてみたいもんやわw

【恒例】私の病的なチェッカー能力が検出した脱字

  • p.128 目に涙がこみあげてくるがわかった

*1:ロビソン氏の誕生日の前日(p.275)。