武書房

GREEのレビュー機能が終わるので今後はこっちに書きます。

四畳半神話大系

Twitterで書名が言及されてるのを見かけ、気になって読んでみた。2019/10/6読了。

面白かった~! 終わってしまうのが寂しかった。

四畳半神話大系 (角川文庫)

四畳半神話大系 (角川文庫)

 

文体は軽微こじらせ男子京大生による饒舌独白体って感じで、ある種正統的な印象を受けた。回りくどいけど無駄や破綻がなく読みやすい。あと読んだ人はわかると思うけど、途中から「早送り」もできるw

トリッキーな構成、これが本作の最大の特徴であり魅力だろう。あの時ああしてい(なけ)れば…という後悔は誰しもあると思うが、その if を一通り見てみたら?というおもしろ着想。最終話では実際それら並行世界を「見る」ことになるが、その仕組みも面白い。その思いつきがまずすごいし、細部まできっちり描き切る技量もすごい。

「並行世界でも結局●●●なのか…」という気付きが人に絶望と希望を与える、ってのはもちろん永劫回帰の話だろう。それにしても「黒髪の乙女」への執拗な憧憬ww わかるけど。世の中には明石さんのいる人生といない人生があるわけですよ。

ちなみに。森見登美彦氏については「ペンギン・ハイウェイの原作者」という知識しかなかったが、名前のイカツさからなんとなく50以上のおっちゃんと思ってたら、私のたった1学年上とは。しかも奈良出身の京大農学部!てことは見かけてた可能性は十分あるな……

下鴨神社百万遍哲学の道先斗町木屋町白川通のからふね屋(もうないな!)など懐かしい場所がいっぱい出てくる。サークルなどに一切入らずドブネズミ色の(非)キャンパスライフを送ってた私には「鴨川デルタ」など縁がなかったがw。あゝ人生がN度あれば。