武書房

GREEのレビュー機能が終わるので今後はこっちに書きます。

欲望会議 性とポリコレの哲学 (角川ソフィア文庫)

2022/5/5、実家で読了。
一昨年知り合ったインテリな人が千葉雅也さんを愛読してるというので興味があり、まずはしゃべり本なら読みやすかろうと買ってみた。

面白かった!
知らなかった文物がいっぱい出てきて勉強になりました。アンチソーシャル・セオリー、ヨーゼフ・ボイス、ジュディ・シカゴ、シンディ・シャーマン食戟のソーマ、ヒュラスとニンフたち、山田わかなど。

#MeToo に対してはかなり批判的。特に柴田さんは「フェミニズムの歴史も知らず、主観だけを根拠に、共感したつもりになって畜群が便乗してる、危険」みたいな論調。昔ブルマー好きおじさんが書いてた「被害者帝国主義」っぽい見方か。
そういう面もたしかにあると思う、が。性被害の可視化、是正のための行動を #MeToo が促進したという意義もあると思うので、私としては全面的には同意しかねた(誤報が1%あったとしても99%の痴漢が捕まるならいいだろう論)。そういう意味では私の意見は二村さんのに近いかもしれない。
彼女たちがある意味「強い性的マイノリティ」だからこそ言えるってのもあるだろう。柴田さんは「サイヤ人」(戦闘民族としてのフェミニスト)を自認されてるので、このまま技芸を磨いていってもらいたい。「それは異性愛男女の都合のよい幻想」(p.240)とビシっと言えるとことかかっこいいですね。

唐突な「地球防衛軍」宣言で〆。w
私なりの解釈で要約っぽいのを無理やり書くとしたら「安直な二元論に淫さず、曖昧さを享受できるようになれ人類!」みたいな感じか。「知的体力をつけろ」って言う人もいますね。

~おなじみ誤字脱字集~

  • p.125 「湾曲」「許すまじい」誤記だがママなのか?
  • p.233 必要があるじゃないか
  • p.260 ×シュミラークル