武書房

GREEのレビュー機能が終わるので今後はこっちに書きます。

草を結びて環を銜えん

2023/5/22-6/11、ほぼ広電内だけで読了。
honto My本棚によると2019/11/23に買ってた。3.5年も積んでしまってたか・・・

さすが激烈に面白かった。「物語」の達人や!
そしてまさに人間讃歌。中国の長い歴史上、強大な暴力・権力に圧殺され、存在自体を消されてきた人々を救済したいという使命感が書かせた作品群という印象を受けた。
書いてくれてありがとうと言いたい。

最後の長いやつ、「万味調和――軍神関羽アメリカでの物語」。私は三国志を読まずに育ってしまったので、関羽がここまで神格化・崇敬されてたことを知らなかった。

ぐっと来たところ

  • p.59 「そのほうがましだと言えるのか?」
  • p.60 熊から鯨に進化したとするダーウィンの説
  • p.65 私は説明するのをやめてしまいました…わかるけど悲しい
  • p.154 緑鶸のものすごい覚悟。いわゆる「学」はなくても、こういう姿勢こそが「哲学」の実践であり、人間に美しさを与えるものと思う。
  • p.187 みんな大好き猿の王!
  • p.240 「この子は偉大な将軍になる素質を持っている」いいお父さんやな。
  • p.278 五月に花を狩る娘たちの詩をこれから書こうとして筆の穂先を整えている学者のように…すごい比喩!
  • p.299 「わしの出発点は中国の極貧百姓だった」