2019/11/30読了。『母の記憶に』が素晴らしかったので買ってすぐ読んだ。
しかし私がケン・リュウ慣れしてしまったのか鈍麻したのか…『母の記憶に』ほどの衝撃はなかった。目くるめく精緻な奇想天外ワールド!はここでも炸裂してるのだが。
もののあはれ / Mono no Aware
日本びいきな表題作。重要アイテムである「囲碁」が、たまたま読んだ日に観た『殺さない彼と死なない彼女』にも出てきてなんか嬉しかった(まあ中国発祥やけどw)。あはれ = aware の洒落ネタはなかった。
どこかまったく別な場所でトナカイの大群が / Altogether Elsewhere, Vast Herds of Reindeer
タイトルなんのこっちゃやけど「シンギュラリティ」もの。「残されし者 (Staying Behind)」の対岸にいる人たちの話。まー人生はビット列に還元できひんわな。
円弧 / Arc
不老不死の技術ができたら…というこれもシンギュラリティか。メメントモリな話。
波 / The Waves
これも不老不死→機械の体→エーテル状?概念?になって…という人類が補完されそうな話。
1ビットのエラー / Single-Bit Error
「変数型チェックシステム」は静的型付けのことを指してる気がするが、としたら静的チェックを過大評価してるのでは?と疑問(実行時に予想外のデータ入ったらクラッシュするのは一緒)。と疑問。作者はプログラマでもあるらしいのでうかつなことは書かないと思うが…。非プログラマ読者はなんとなくわかった気になるのかもしれないが、唯物的解釈への寄せ方が強引な気はした。
良い狩りを / Good Hunting
アニメ向きな感じ。美しくも残酷で切ない。まさかのスチームパンク化。