移動中にちびちび読み、2019/12/23読了。
おそらく未読だったので買ってみた。1956年刊行、PKD初期の長編。
時代設定は2114年だが、いま読むとわりとロウテクで素朴なディストピア未来って感じでわかりやすい。「道徳」の教科書を国が検定する、みたいな世界。PKD作品にしてはドラッグ漬けじゃないし、(作者の若さゆえか)主人公たちは情熱的とすら言え、楽しく読めた。
27年前(!)の宮部みゆきさんの解説も読めてお得でした。
たとえば最近話題の『氷の微笑』など、
という一節で気付いた。えっこれ新訳版向け解説じゃなかったの?!と。どうもこれはここ数年のPKD新訳運動の一環、ではなく、単にカヴァーを今様にした新装版であるらしい。