ぬまがさ先生の推薦を見て買い、2020/9/22読了。
- 作者:レベッカ・ソルニット,ハーン小路恭子
- 発売日: 2018/11/15
- メディア: Kindle版
重大な人権侵害の数々を題材にした本なのでこう書くのは不謹慎かもしれないが、非常に面白かった。男女問わずお薦めします。
もう男ってだけで強姦魔か殺人鬼候補なので、生まれた時点でICチップ埋め込んで監視対象にすべき!と言っても極論ではないと思えてくる。なんせ「アメリカ女性の五分の一がレイプのサバイバー」(p.160)なのだから。
いまは "Rape culture" や "Wife beating" といったキャッチーな用語ができたらしいが、こういった悪に名前をつけて可視化するというのも大事なこと。
性犯罪が起こると必死で被害者のせいにし(女の服装がー、態度がー)たり、「男がみんなそうってわけじゃない」と謎の弁明(?)したりするのも日本だけの話じゃないんやな。
「何がほしいの? 女を殴ったり、レイプしたり、脅したりしてないから、ご褒美にクッキーでもくれってこと?」(p.151)という名つっこみは自戒に使いたい。
「フェミニズム」は、「女性も人間であるというラディカルな概念」(p.187)であり、そんな一見当たり前のことが「ラディカル」と見なされるという事態こそを問題視する運動でもあるのだろう。
一部の女性だけでなく、すべての人間の生存・尊厳に関わる思想である。
人類の蒙を啓くため、ともにがんばりましょう。
後半、脱字などあったのがちょっと惜しかった。改訂に期待!
- p.167 あるべき「で」はない
- p.171 進もう「と」するのを
- p.199 ここの「語るに落ちる」は「語るに足らぬ」の誤用では?