武書房

GREEのレビュー機能が終わるので今後はこっちに書きます。

BUTTER (新潮文庫)

2020/7/23読了。『孤狼の血』の人ですよね?佐藤優氏も帯で絶賛してるぐらいなので凄いのだろう…というミーハー心で買ったが、たしかにすごい面白かった。この本読んですっかりマーガリンよりバター派になりました。(そういう本ではないけど、そういう本でもある)

BUTTER (新潮文庫 ゆ 14-3)

BUTTER (新潮文庫 ゆ 14-3)

  • 作者:柚木 麻子
  • 発売日: 2020/01/29
  • メディア: 文庫
 

実際の殺人事件から着想を得た小説、らしいが、その事件を知らなかった私でも十分に惹きつけられ、面白く読めた。というか心理描写が濃すぎて、実際の犯罪はもはやあんまり関係なさそう。

出会った人の心を支配し狂わせていくデモニッシュ女・梶井真奈子。をぐるぐると追いかける過程に、悪の凡庸さ、女性の生きづらさ(男もな)、「らしさの呪縛」的なやつ、など現代的かつ普遍的なネタがたっぷり練り込められた濃厚な小説でした。タイトルの「BUTTER」は少なくとも三重以上の意味が込められてて巧い。

Wヒロインな里佳×伶子があからさまに美しく、実写化も見据えてそう。カジマナ役を誰がやるのかが一番難しそうやが。

その他覚え書き

  • 男は黙ってハイライト
  • p.57 「風邪引いたら桃缶」は、やはりある世代にとっては通念なのか(cf. 社畜と少女の1800日)