2019/6/22読了。文庫派なので文学の新刊を買うなんて珍しいのだが、西田藍さんはじめいろんな方が書評されてたので、どんなに面白いんやろーと。
たしかに斬新でした。まさにSF(すこしふしぎ)な世界観。具体的に語らないことによって想像力をかき立てる。子供の目が見た世界のよくわからなさ、みたいな雰囲気がよく出てると思った。
私がいま居るこの場所にはかつて他の誰かが居た。私がかつて居た場所にはいまは他の誰かが居る。という考えてみれば当たり前の時間軸を思い出させられる。
あと、著者に叙述トリックみたいな意図はおそらくないのだろうが、私は前半4割近くまで完全に誤読してたとこがあった。最近流行りの○○小説?とか思いながら読んでた。
短編集であり、表題作の次は「蝦蟇雨」。いや~これ嫌!やめて!w
最後の「リアリティ・ショウ」もなかなかにえげつない。
そしてこれらも「説明しない説明」のような作風。テクニシャンやねぇ。