2018/5/4、実家で読了。
多くの人が推薦してる、アジャイル界隈では有名らしい「ボブおじさん」が書いた本。
- 作者: Robert C. Martin,角征典
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2012/01/27
- メディア: 大型本
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書名に "Code" が入ってるが、意外にも「精神論」の本であった。
否定的な意味ではなく、「プロならこう振る舞うべき」という心構えの書。ソフト開発ってけっこう「遅延、炎上は日常茶飯事」という空気が瀰漫しがちな業界だが、そこに「それはプロじゃないよね」と釘を刺すような論調。なので「まあ正論。実際やるのは難しいけど…」とか思いながら読んだ。
内容は『達人プログラマー』を薄めて技術論を削った感じか。
期待してた技術的要素として、印象に残ったのは以下のような点。
しかしこの本から得られる一番の収穫は、著者の「人間くささ」が窺い知れるところではないか。
著者の経歴を見ると、IT企業興してて、なんかカンファレンスで講演とかもしてて、C++/XP/Agileなどの書籍をいっぱい出してて…「どう見ても神」なのだが、若い頃は一時期失業して引きこもってた、デスマーチしてた時は3000行のC言語の関数を書いて職場で「ペンを投げつけて叫ぶ連中の1人だった」…人間くさいどころかほぼカスである。そんなカス野郎が今は神ってるなんて!これには勇気づけられる。
そう、これは「カリスマハッカーが意識高い話をドヤる」本ではなく、「おじさんが長年の失敗から学んできたことを教えてくれる」本でもあるのだ。(まあ17歳からパンチカードでプログラミングしてたり、やはりファビュラスな経歴をお持ちでもあるのだが)
ジョジョネタ(ポルナレフ)がさりげなく挿入されてたり(これは訳者のジョークと思われる)、全体的に軽妙ですいすい読めるけど、p.80のここはクソワロタ。
ある日、モジュールを見直すことがあった。それは、ピンク・フロイド「ザ・ウォール」のオープニングを聞きながら書いたものだった。コードのコメントには、曲の歌詞と爆撃機や泣き叫ぶ赤ん坊のことが書かれていた。
衝撃を受けた。そのコードを読むと、解決する問題ではなく、作者(私)の音楽コレクションが学べるのだ。