武書房

GREEのレビュー機能が終わるので今後はこっちに書きます。

動物農場〔新訳版〕

2019/4/16、珍しく有休取った日に八丁堀VELOCEで読了。山形さんによる新訳。

「おとぎ話」とはいえ面白かった!

本編後の「序文案」読むまではスターリン批判と気付かず、もっと一般的な全体主義批判、そして知的怠惰に安住する「大衆」批判の寓話かと思いながら読んでた。しかし、実際オーウェル自身は純粋な社会主義者で、意識的にスターリンを糾弾するために(レーニントロツキーを惜しみつつ)この物語を書いたらしい。(「本書が当てはまらない社会主義がこの世にこれまで存在しただろうか?」という事実はあるにしても)

ただ、例によって親切な訳者あとがき読むと、その解釈も外れてはない模様。そういう著者の意図を超える普遍性を持った優れた作品ということらしい。やっぱオーウェル凄いわ……

んで公文書改竄・破棄、デマによる支持率稼ぎなど、本書が出版されて70年以上経ったいまでも全然古びてない、どころか悲しいことに時事ネタにすらなりそうほど普遍的なお話でもある。いや人類にはもっと賢くなってほしいのだが。