夏休み最終日の2018/8/19読了。
さすが鬼才!といういかれた面白さでした。約90年前に書かれた作品群というのが信じられないほど。
いわゆる幻想奇譚集という感じ。編者(日下三蔵氏)解説によると、『ドグラ・マグラ』は長すぎるし文体も独特すぎて「初めての夢野久作」としては不向き、こういう短編集を読んでからがいいとのこと。(俺は学生時代がんばって読んだけどなw)
「死後の恋」すごい。映像化かなり厳しい、グロ耽美な世界。ウラジオストクが「浦塩」なのもなんかすごい。
「瓶詰地獄」これも有名な作品、やっと読めた。字面から予想してた、瓶の中に詰め込まれて地獄の苦しみ…みたいな話では全然なかった。もっと切なくも美しい、かつ技巧に驚かされる短編。
「志那米の袋」立場が弱かった女性たちの苦しさ、無念が息苦しいほど感じられる。ちくしょうめ、クソ野郎どもに制裁を!ただオチは予想できると思う。
デビュー作「あやかしの鼓」。巻末に、「新青年」に応募して入選した時の久作自身の「所感」、乱歩をはじめえらい先輩方の「選評」も収録されててお得感あり。みなさん好悪コモゴモ、辛辣でおもろいのだが、「技術は未熟だがなんか持ってる、こいつやばい」という点は共通してるのがさすが。