武書房

GREEのレビュー機能が終わるので今後はこっちに書きます。

岡崎に捧ぐ 1

糸井さんのRTでたまに「ひまつぶしまんが」を見かけておもろいなーと思ってた山本さほさんの漫画、だいぶ周回遅れでしょうが読みました。

岡崎に捧ぐ 1 (コミックス単行本)

岡崎に捧ぐ 1 (コミックス単行本)

 

だいたい期待通りの世界観で、ノスタルジーに振れすぎない程度にギャグも多く、面白く懐かしく読めました。

 

なんせ作者は同世代。といっても96年3月に小学校高学年、てことは私の5歳下ぐらいで(妹と同い年かも)、ちょっと年下という感じはある。私にとっての「ファミコンスーファミ」が彼女にとって「スーファミ、64」ぐらいの感覚かもしれない。たまごっちの頃は高校生やったなー。

「無制限のゲーム・お菓子に憧れる」子供の気持ちはすげえわかる。FF5が出て間もない頃、既に何百時間もやってたという先輩一家を羨ましいと思ったりしたもんやったw。

 

私も小4(魔女の宅急便の年)で引っ越したので、山本さんには微妙に親近感を持った。しかい今で言うコミュ力皆無なガキやったので、彼女ほどスムーズに新しい環境には馴染めなかったが。こんなに天真爛漫でもなかったしなー。こういういわゆる「子供らしい」子供時代を送れた人は羨ましい。

2巻も楽しみ。

ティモシー・アーチャーの転生〔新訳版〕

去年末に出てた山形さんの新訳版を読了。

「『ヴァリス』三部作の完結編と呼ぶかは意見が分かれる」本やそうな。

たしかに、全然別の話とも言えるし、テーマは重なってるとも言える。

そこそこ分量はあるが、展開が目まぐるしく飽きずに読めて面白かった。

 

例によっていかした・鋭いフレーズは多いけど、私は特に p.176 のここが気に入りました。

ひどい理由付けね。何かが不可避な側面を持つからって、それであっさり同調して話を合わせるべきだってことにはならない。

 

しあわせの理由

山形さんが坂村先生の解説込みで褒めてたのを見かけて購入。

クラクラするほど面白かった。

しあわせの理由 (ハヤカワ文庫SF)

しあわせの理由 (ハヤカワ文庫SF)

 

イーガンの小説は初めて読んだけど、理系のカフカ、ハイテク仕掛けの悪夢とでも言おうか。凄まじい発想力と筆力。もし同世代にこんな天才がいたら、SF作家になろうなんて思わへんやろな。

「量子サッカー」なんかもうシュールすぎて、ある種「哲学者サッカー」に通じる滑稽さがあった。「この競技やってて面白いのかよ?!w」という。

専門用語多用、かつ長い文(筆者の知性を誇示するかのような複文!)も多いので、ある程度集中して読まないとついていけないところも多い。でも訳が丁寧で、読みやすくなるようにかなり工夫されてるように感じた。

#セキュリティ審査は「認証」がしっくり来る気はしたけど

 

最後まで読むの我慢した解説も、たしかに面白い! イーガンはハードSFとしても十分通用するが、それ以上にPFであるとのこと。

ところで坂村先生っていま「電脳建築家」なのか!w

人間の性はなぜ奇妙に進化したのか (草思社文庫)

面白かった。

祝日にダラダラ読むのにふさわしい本でした。

文庫 人間の性はなぜ奇妙に進化したのか (草思社文庫)

文庫 人間の性はなぜ奇妙に進化したのか (草思社文庫)

 

ヒレアシシギという鳥は一妻多夫で、一部の強いメスがオスを独占し、オスたちが卵を孵化させるらしい。

それを「変わってる」、人間の性行動だけが「ノーマル」だと考えるのは「種差別主義」、つまり人間中心の考え方である。人間も動物の一部に過ぎず、実は人間こそかなり変わってる・・

というわけで、進化生物学の観点を基軸に、様々な種の性差がなぜ生じたのか?を論じた本。実例(ヒト含む)が多くて面白い。人間の男もちょっと刺激すれば乳(乳汁)が出るのね・・

 

1999年に出た『セックスはなぜ楽しいか』の文庫版。その後さらに研究が進んだ分野もあるのでしょうね。改題によって「大学の講義でも、堂々と副読本として指定できるようになりました」とのことw。

サラリーマン山崎シゲル ~THE SWORD OF GALAXY~

難しい本読む気力はないので・・広島丸善で買って帰り、即読了。

前作でこの世界観には慣れてて、twitterで見たネタも多いのに、やはりむちゃくちゃおもろかった。何回も爆笑した。

どっからこの発想が生まれんの?!と驚嘆するネタの連発やし、絵も絶妙に巧い。一見さらっと書いてるようやけどムダなく的確な線。この人はもっと「うまい」絵も描けるんやと思う。

 

この巻は1コマ漫画だけでなく、続きものも多い。

「ゴルフの帰り道」が一番気に入った。(続きものは大体タイトルが付いてる)

「遅刻少女ユミ」もいい。初めて女子高生が出てくる!w

 

「初回限定ステッカー」も付いててお得!(2015/5/20発行のがまだ残ってたってことは、広島ではあまり売れてないのだろうか)

あと、謎のサブタイトルの意味は・・本を隅々まで読めわかる。(一応全部読みましたw)

 

妹が妊娠する前に読ましたればよかったとちょっと後悔してる。

乳児がいたらこういうのを読んでる余裕はないかもなあ・・

老人と海 (新潮文庫)

さて最後の冬休み読書録。

これは一番積み期間長かったな。なんせ買ったの2003年…就職した年やな。

老人と海 (新潮文庫)

老人と海 (新潮文庫)

 

予想はできたけど、男臭くストイックで、喉が渇きそうな小説でした。終始ハイテンション。

多くは語らない孤独な海の男・サンチャゴが渋い!

でも独り言は多すぎ!

そしてがんばりすぎ!「お爺ちゃん、あんま無理しないで!」と言いたくなる。

でもこういうの好きな人は好きやろなあ。

サンチャゴの気持ちもわかる気がするし。

 

訳者の福田恆存氏が、解説で「アメリカ文学って大したことないと思ってたけど、この老人と海はいいんじゃない」みたいにわりとズケズケ書いてたのも印象的でした。

仕事に効く 教養としての「世界史」

HONZで紹介されてたの見て買って読み始め、ローマ教会のとこまで来て頓挫。

20ヶ月ほど間が空いてしまい、2016/1/3やっと読了。

まあそんな期間も、悠久の世界史 から見たら点に過ぎないのだが。()

仕事に効く 教養としての「世界史」

仕事に効く 教養としての「世界史」

 

高校時代、なんせ地理歴史の暗記が苦手だったので、勉強し直しのつもりで読んだ。

しかし・・やっぱり固有名詞多いと大変。「あれ、そういやペルシアってどこやっけ」「アナトリア半島?どこよ?」とか思うと地図ページまで戻って確かめないと進めない。

まあでもすぐ忘れてしまったりするのだが。

 

著者の出口さんはこの本を書くにあたり、参考文献は一切読まず、ご自身の知識と記憶だけで書き上げられたらしい。

出口さんの読書量、博覧強記ぶりには恐れ入る・・というところだが、いやさすがにちょっとは確認なりググルなりしてもよかったんちゃいますかw。それでこの本には「~と思います」という表現が多いんかしら。

民族・地域ごとに歴史観は異なる、今主流の欧米式の歴史がすべてではない・・というのがこの本の大きなテーマの一つであり、これは肝に銘じるべきやと思った。

 

ところではてなさん、Amazonの一覧から選ぶ時、kindle版と紙の本を一目で区別できるようにしてくれへんかなー。(だいたいkindle版が上に来る?)