武書房

GREEのレビュー機能が終わるので今後はこっちに書きます。

なめらかな世界と、その敵

去年えらい推されてたSF短篇集、2020/1/1-2で読了。

なめらかな世界と、その敵

なめらかな世界と、その敵

 

明らかに鈴木健さんの『なめらかな社会とその敵』をもじったタイトルだが、内容は関係なし(PICSYのほうはずっと積んでて未読)。もちろんK.ポパーのほうとも関係ない。知らんけど。

たしかにすごい才能! 面白いし鮮やかで唸らされる。作者は京大SF研とのことで、SF界で純粋培養されたかのようなSF的着想の数々(と思ったらデビュー時はホラーを書いてたらしい)。現代的テクノロジー、ガジェットも多く取り入れてるところはケン・リュウっぽい雰囲気もあり、青春ドラマなところはアニメっぽさもある。

以下感想。ここに書いてない2篇も歴史改変の力作ですが。

なめらかな世界と、その敵

表題作。特殊能力が「あるのが普通」という逆転の発想が面白い。そしていわゆる百合か。

美亜羽へ贈る拳銃

いわゆるツンデレなのだろうが、ヤバ面白かった。何この美しすぎる結末…。◯◯◯の◯◯の物語か! 期待通り進むところも予測不能なところもあり、引き込まれる。

ヒロインの名前はもちろんあの白い本から取られている。

白鳥クイズはわかった。最後の「美亜羽当てクイズ」は国語の問題にできるかもw

p.119 髪をかきむり ←惜しい!

ホーリーアイアンメイデン

妹から姉への手紙というトリッキーな形式。『瓶詰地獄』の郵便版て感じか。

アルジャーノンに花束をカッコーの巣の上で、みたいな趣。

ひかりより速く、ゆるやかに

ロマンティック&カタルシスで良かった。同時代ガジェットたっぷり。現行の最速新幹線が「のぞみ」じゃなく「ひかり」ならもっと良かったのにw