武書房

GREEのレビュー機能が終わるので今後はこっちに書きます。

メカ・サムライ・エンパイア

2019/10/26、横川にゾンビ級の人々が溢れる夜に読了。

びっくりするほど面白かった。読むのに夢中で電車乗り過ごしたのなんか久しぶりやわ。

メカ・サムライ・エンパイア 上 (ハヤカワ文庫SF)

メカ・サムライ・エンパイア 上 (ハヤカワ文庫SF)

 

前作『ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン』が鮮烈だっただけに、二番煎じでは?という懸念も正直あって、今年やっと買ったあとも半年ほど積んでたのだが、見事に裏切ってくれた。なんて知的でスタイリッシュで情熱的なSF!! 映画的で美しい場面、展開にやられた。

発想力がものすごい。「電卓」ゲームやメカ操作の描写がいちいち具体的で、まるで作者が並行世界で体験してきた記憶を基に書いてるかのよう。「焼き印」の使い方とか天才かよと。

ハイテク感・ロウテク感・厨二感のブレンドが絶妙。冷静に考えると決戦兵器が人型で有人である必然性ってないはずだが、そこはエヴァっぽくするためだろう。ほぼアスカなグリゼルダ、完璧美少女範子など女性キャラたちも魅力的。主人公・誠も「小太り、オタク寄り、戦争孤児」とかなり応援したくなる人材なのも良い。

下巻の途中から「これどうやって収拾つけるの…」って心配になってきて、どうにか一段落して終わるも風呂敷は広がる一方。てことで続編にも大期待!!

「謝辞」に大森望、池澤春奈さんら大御所に交じって俺らの絶対的アイドル西田藍さんも登場。嬉しい。

作者がガンダムエヴァはもちろん、ゼルダ・マリオ・女神転生・FF、深作欣二など日本の映画・映像作品に影響受けまくってることもわかる(バイオメカは巨神兵のようでもある)。

堺三保さんの解説も広く深く的確で良かった。

 

おなじみ揚げ足取り:

上 p.291 ×さまさま ○さまざま

下 p.69 ×したとと ○したと