2018/4/28、帰省中ののぞみ98号で読了。
書評家アイドル西田藍さんがホンシェルジュで紹介なさってたのを見て、教養のため、というか純粋なスケベ心で買ったのだったが・・・
面白い。80年以上前に書かれたとは思えないほど。たまーに読めない漢字も出てくるが、そのへんは適当に調べつつ、面白くてぐんぐん読んでしまう。
夢野久作といえば狂気実験ドグラ☆マグラがあまりにも有名だが(学生時代読んだけどもうあの擬音ぐらいしか覚えてない)、たしかにあれは長い。なので、未読の人はまずこっちで「味見」してみるのもよいと思う。
1930年代といえば今より「人権意識」などはるかに低かったであろう、婦人参政権もまだない、そんな圧倒的男性優位の時代に、ここまで女性(弱者)視点の作品が書かれていたことに驚嘆した。2010年代ですら「狂わせガール」なんつって「魔性の女」「何考えてるかわかんない怖い女」みたいなキャラが成立してるというのに。何この先進性?(これはおそらく著者が今で言う「草食系」、非マッチョ気質だったから、というのが大きな理由ではないか。なんせ「夢野久作」やしw)
外はスゴイ月夜であった。…「けむりを吐かぬ煙突」
巨大なダイヤの指環がギラギラと虹を吐いた。…「女坑主」
など、ステキすぎる表現も満載でシビレます。
なお、表題作『少女地獄』「何んでも無い」篇の絶対的ヒロイン・ 姫草ユリ子の実写版を制服アイドル西田藍さんが演じてらっしゃるので、まともな感性の持ち主なら買うしかありません。