2016/6/12、梅雨真っ盛りの夜に読了。
SFマガジン2014/10月号の企画「PKD総選挙」で栄光の1位を獲った作品。やっと読めた。
ちなみにそれは私の崇拝する西田藍さんがSFM史上初の「カバーガール」を勤めた記念すべき号でもある。思えばそこからすべてが始まったのだ…。電気羊Tシャツも当然買った。今年の2月には下北沢のトークイベントに行って握手をしてもらえるまでになった。creep かつ weirdo な私が、生身のアイドルに "認知" されたのだ。これは夢ではないのか? もういっそそこで人生終わりでもよかったんでは?
余談が、過ぎた。
さてこのPKDファンに大人気の1冊。雑に言うと「現実崩壊もの」とでも言うのだろうか。この先どうなるのかわからない、どころか「今どうなってるのか(正確には)わからない」とすら言えるミステリアスな作品で、全編通して陰鬱な緊張感に満ちており、スリリングに読み進めることができた。要は、非常に面白かった。
ミステリとして読むと、途中から「ああ実はこの世界がアレで」「あ、たぶんこの人はあの」なんて予想したり解釈したりもできるが、そんな単純な理解を許さないような仕掛けもあり、とにかく「多様な解釈」が可能。読み終わっても、わかったようなわからんようなモヤモヤは残る。ハッピーエンドとも言いがたいし。
これが「SF通」の中で1位になったのもなんかわかる気がした。
ビートルズ通の中で "I am the walrus" が1位になるのと似てる気がする。何かよくわからない、複雑、でも深い意味がありそう、そして何より技巧を凝らしててかっこいい(ってエヴァンゲリオンくさいなw)。そういうのみんな好きよねー。
いやー、ディックはやっぱ面白い!!
というわけで、ハヤカワさんにはこのTシャツ再販してほしいです。